■新型コロナワクチン接種女性の4割に「わきの下のリンパ節の腫れ」 乳がん検診に影響も

 新型コロナウイルスワクチンを接種した女性の4割に、わきの下のリンパ節が腫れる副反応が2カ月続いていたとする調査結果を、聖路加国際病院の研究チームがまとめました。わきの下のリンパ節の腫れは乳がん転移の際にもみられるため、研究チームは接種後に乳がん検診を受ける人に注意を呼び掛けています。
 研究チームは今年5月、ファイザー製ワクチンを2回接種して8週間以内の23歳から63歳の健康な女性135人を対象に超音波検査を実施し、わきの下のリンパ節の状態を調べました。
 その結果、67人に、接種した腕と同じ側のリンパ節の腫れがみられ、このうち54人は8週間が経過した時点でも腫れていました。多くの人は自然に消失するまでに11週間程度かかりました。
 研究チームの同病院乳腺外科の喜多久美子医師は、「乳がん検診を受ける場合、2回目のワクチン接種後に数カ月の期間を置くか、難しければ検診担当者に接種したことを伝えてほしい。乳がんがある患者は、がんがある部位と反対側の腕に接種するのが望ましい」と話しています。
 なお、厚生労働省が実施した健康状況調査においても、ファイザー製ワクチンを接種後に、接種した腕と同じ側のわきの下や首などのリンパ節が腫れた女性が2%程度いたと報告されています。
 日本乳癌検診学会は、「検診としてのマンモグラフィや乳房超音波検査はワクチン接種前に施行するか、2回目のワクチン接種後少なくとも6~10週間の間隔を置いてから施行することが望ましい」としています。
 また、アメリカのブレスト・イメージング学会は、可能であれば乳がん検診は、1回目接種の前か、2回目接種から4~6週間の間隔を空けることを考慮することを推奨しています。

 2021年10月18日(月)



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