世界保健機関(WHO)とアメリカ疾病対策センター(CDC)は23日、世界各地ではしか(麻疹)が流行する差し迫ったリスクが存在すると警鐘を鳴らしました。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景にはしかの予防接種率が低下しており、2021年にはしかの予防接種を受けなかった子供は約4000万人で、過去最多といいます。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、新型コロナワクチンが記録的な速さで開発・配布された一方、皮肉にも定期予防接種が著しい影響を受け、数千万人が危険にさらされていると指摘しました。
はしか(麻疹)は予防接種でほぼ確実に予防できるものの、感染力が極めて強いため、国内に土着するはしかウイルスによる感染が3年間確認されない「排除状態」を達成するには、人口の約95%が2回以上の予防接種を受け、集団免疫を獲得しなければなりません。
しかし、WHOの報告によると、2021年の2回接種完了率は71%で、コロナ禍前の2019年と同じながら、1回目の接種率は81%で、2019年の86%から下落し、2008年以降で最低でした。1回も接種を受けていない子供は、ナイジェリアやインドに多くいました。
はしかは2021年、世界で約948万人がかかり、12万8000人が死亡しました。22カ国で大規模発生が報告されました。
2022年11月24日(木)
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