新型コロナウイルスに感染した人のうち、10日間の療養期間が終わった後も症状が残る人が半数近くに上り、20人に1人は発症から1カ月たっても後遺症とみられる症状を訴えていることが、大阪大学などの調査で明らかになりました。
この調査は、新型コロナウイルスの後遺症の実態を把握しようと、大阪大学と大阪府豊中市などが、今年3月末までに感染した2万6880人の市民を対象に郵送とアプリで行ったもので、4047人(15・1%)から回答を得ました。
それによりますと、回答した人の半数近くに当たる47・7%が、10日間の療養期間が終わった時点でも何らかの症状があったと答えました。
また、発症から1カ月たっても何らかの後遺症があると訴えた人が、20人に1人に当たる5・2%、2カ月たっても後遺症があると訴えた人が、3・7%いました。
発症から1カ月経過した時点で頻度が高かった症状としては、「日常生活の支障」や「脱毛」、「せき」という回答が多く寄せられました。
後遺症は、感染した時の重症度が高かった人のほうが訴える割合が高く、ワクチンを接種した人では後遺症が少ない傾向もみられたということです。
調査を解析した、感染症に詳しい大阪大学の忽那賢志(くつな さとし)教授(感染制御学)は「流行がオミクロン型に変わっても、少なくない方が後遺症に悩んでいる。時間がたてば落ち着くケースが多いが、後遺症に有効な治療薬は今のところないので、ワクチン接種や感染予防がより大事になってくる」と話しています。
2022年12月15日(木)
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