■ワクチン接種偽装で委託料詐取、院長に有罪判決 東京地裁「医師の権限を悪用」

 新型コロナウイルスワクチンを接種したと偽り、自治体から接種委託料をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた医師船木威徳(たけのり)被告(51)=東京都北区=の判決公判が12日、東京地裁(野村賢裁判長)でありました。判決は「金銭目的でないことを踏まえても悪質だ」として、懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡しました。
 判決によると、同区の「王子北口内科クリニック」院長の船木被告は2021年、「ワクチンを接種したくないが、接種済証が欲しい」という知人らから依頼を受け、計15人にワクチン接種をしたとするうその予診票を札幌市や大阪市など5つの自治体に提出。業務委託料計約6万8000円をだまし取りました。
 船木被告は自ら開くセミナーで「ワクチン接種しなくても接種済証を発行する」旨の資料を配るなどしていました。判決は「ワクチン接種業務の委託を受けた医師の権限を悪用し、被害額も少額とはいえない」と批判。一方、被害の全額を弁償していることや反省の態度を示していることなどから執行猶予が相当としました。

 2023年5月12日(金)

この記事へのコメント