■熱中症の搬送者数、1週間先まで予測 名工大が公開、8都道府県ごとに独自算出

 名古屋工業大学の研究チームは、熱中症の救急搬送者数を6日先まで日ごとに予測し、ウェブサイトで公開する試みを始めました。対象は東京、愛知、大阪、福岡など8都道府県。熱中症予防や救急医療現場で役立ててもらう狙いがあります。順次、対象地域を拡大する方針。
 2013~2019年の6~9月の気象データと約14万人分の搬送者情報を分析し、計算式を考案しました。暑さに慣れていない梅雨明け直後はリスクが高まるといった体の特性や、高齢住民の地域ごとの割合も加味しました。気象庁が毎日更新する週間天気予報と組み合わせて予測します。
 サイトでは、当日の予測搬送者数を日本地図上に「24人以下」(ピンク色)から「100人以上」(紫色)までの5段階で表し、6日先までの予測は折れ線グラフで示しています。
 熱中症の危険度の指標としては、気温や湿度などを基にした「暑さ指数」があるものの、予測は2日先まで。6日先の予測で、外出や屋外行事の計画を立てやすくなり、消防や医療機関にとっては、患者の受け入れ態勢を整える時間的猶予が得られるといいます。
 研究チームの平田晃正教授(医用工学)は、内閣官房のプロジェクトで人工知能(AI)を使って新型コロナの感染者数を予測した実績があります。記者会見で平田教授は「さまざまな分野で予測を活用してほしい」と話した。予測はホームページ( https://heatstroke.jp/ )で確認できます。

 2024年7月10日(水)

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