■新型コロナ感染で90歳の男性死亡、遺族が高齢者施設を提訴 速やかにPCR検査せず

 広島市安佐南区の高齢者施設で2022年8月、基礎疾患がある男性(当時90歳)が入所するフロアで新型コロナウイルスが発生した後、家族が希望したPCR検査を行わないといった過失があり、早期発見・治療につなげられずコロナ感染で死亡させたとして、男性の家族が施設に関連する会社と医療法人を相手取り、約1800万円の損害賠償を求めて広島地裁に9月27日付で提訴したことがわかりました。
 訴状などによると、男性は2022年4月に間質性肺炎と診断されました。同7月に高齢者施設に入所し、介護を受けていました。8月6日に男性が入所する8階で、別の入所者がコロナに感染したことがわかりました。コロナ発生の報告を受けた男性の家族はPCR検査などを求めたものの、速やかに行われませんでした。
 男性は同月18日にPCR検査でコロナ感染が確認されました。家族は医療機関への転院を求めたものの聞き入れられず、重症化した21日になって転院されましたが、コロナで死亡したといいます。
 原告側は訴状で、「家族は全力で付き添い世話をしてきた。PCR検査による早期発見、治療をしていれば、死に至らしめることはなかった」と主張しています。
 一方、施設側は「訴訟継続中のため、コメントは控える」としています。

 2024年12月1日(日)

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