■風疹・はしか予防のMRワクチン、今年度の定期接種2年延長 供給不足で厚労省

 風疹とはしか(麻疹)を予防するMRワクチンについて、厚生労働省は子供向けの定期接種期間を2年延長する方針を固めました。ワクチンを販売する製薬企業による出荷停止が2024年から続いており、一部地域で一時的に供給が不足したことを考慮しました。近く、各市町村などに通知します。
 定期接種は、1歳と小学校入学前の5〜6歳の計2回が対象です。今年度の対象者は、それぞれ3歳まで、7〜8歳までとします。この期間を逃すと任意接種となり、全額が自己負担になります。
 また、公費負担で風疹ワクチンを接種できなかった1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性を対象とした追加接種の期限(2024年度末)についても、期間内に抗体検査を受けたことを条件に接種期間を2年延長し、2026年度末までとします。
 年度末にかけて接種者数が増える傾向があり、期間内に打ち終わらない可能性を自治体や医療界が指摘していました。厚労省の担当者は、「ワクチン供給の偏在が課題で、打てなかった方が一定数いる。駆け込み需要に対応できないという声もあった」と説明しています。
 風疹は、妊婦が感染すると、目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりする症状が胎児に出る可能性があります。はしかは胎児に異常や後遺症を引き起こす可能性はまれですが、重症化すると脳炎を引き起こす可能性があります。

 2025年3月12日(水)

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