■ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者数、過去10年同時期で最多

 おう吐や下痢を引き起こすノロウイルスなどによる「感染性胃腸炎」の患者の数がこの時期としては過去10年で最も多くなっていて、専門家は手洗いを徹底するなど対策を呼び掛けています。
 国立感染症研究所によりますと、3月2日までの1週間に全国約3000の小児科医療機関から報告された「感染性胃腸炎」の患者の数は1医療機関当たり9・83人と、この時期として過去10年で最も多くなりました。
 都道府県ごとにみますと、大分県で23・22人、愛媛県で17・17人、熊本県で17・06人、鹿児島県で16・80人、香川県で15・96人などとなっています。
 国立感染症研究所によりますと、原因の1つとされるノロウイルスは主に患者の便やおう吐物のほか汚染された食べ物などを介してウイルスが口に入ることで感染し、おう吐や下痢などを引き起こします。
 感染症が専門で、群馬パース大学大学院の木村博一教授は、具体的な対策として、患者のおう吐物を処理する際はマスクと手袋を着用し、拭き取った雑巾やタオルなどはビニール袋に入れてから捨て、直接触らないようにすることが有効だとしています。
 また、トイレの便器やドアノブにもウイルスが付着している可能性があるため、指の間や親指の付け根、手のひらなどを中心にせっけんを使って流水で念入りに洗うことのほか、トイレでスマートフォンに触らないことも重要だとしています。
 木村教授は、「今が流行のピークだとしても3週間から4週間ほどは流行が続くと考えられ、しばらくは対策を徹底してほしい」と呼び掛けています。

 2025年3月12日(水)

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