オーストラリアの40歳代の男性が、ドナーからの臓器移植を待つ間、チタン製の人工心臓を装着して105日間生存したことがわかりました。この人工心臓を装着し生存した期間として、最長記録となりました。
男性は昨年11月22日、シドニーのセント・ビンセント病院で行われた6時間におよぶ移植手術を受け、この人工心臓を装着しました。
男性は2月上旬、この装置を着けて退院した世界初の人物となり、3月初めに心臓のドナーが見付かるまで生き延びることができました。
セント・ビンセント病院、モナシュ大学、およびこの装置を開発したアメリカとオーストラリアに拠点を置くバイバコア社が12日に発表した声明によると、この男性は重度の心不全を患っていましたが、「順調に回復している」といいます。
この人工心臓がこれほど長期間にわたって生命を維持したことは、心不全に苦しむ人々にとってこれが長期的な選択肢となり得ることを示すものとして称賛されています。この装置はまだ試験段階であり、一般使用は認められていません。
バイバコア社の全置換型人工心臓(TAH)には、磁石で固定された浮上ローターという単一の可動部品があります。名前が示す通り、チタン製で、摩耗しやすい弁や機械式軸受はありません。
世界保健機関(WHO)によると、心血管疾患は代表的な死因で、世界中で年間約1800万人が亡くなっています。
2025年3月13日(木)
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