■全国の6割以上の病院が赤字、調査団体「地域医療は崩壊寸前」

 物価高などの影響で多くの病院が深刻な経営難に陥り、全国で6割以上の病院が赤字になっているという調査結果を病院団体が公表しました。団体は「地域の医療は崩壊寸前だ」として国に対策を求めています。
 調査を行ったのは全国の病院で作る6つの団体で、12日、東京の日本医師会で会見を開き、結果を公表しました。
 それによりますと、全国1700余りの病院で昨年6月から11月までの経営状況を調べた結果、経常利益が赤字となった病院は全体の61・2%に上り、2023年の同じ時期に比べて10・4ポイント増加しました。
 また、補助金などを除いた医業利益をみると69%の病院が赤字で、2023年より4・2ポイント増加しています。
 こうした背景には物価高などによる経費の増加が大きく、病院給食などの「委託費」は、2023年に比べて4・2%上昇したほか「給与費」も2・7%増えたということで、物価や人件費の上昇に診療報酬などの収入が追い付かず、地域の医療は崩壊寸前だと指摘しています。
 調査を行った日本医療法人協会の太田圭洋副会長は、「病床の利用率が90%を超えないと黒字にならないならない病院もあるとみられ、地域の病院が突然なくなるような事態にある。国には、物価などの上昇に応じて診療報酬が上がる仕組みを考えてもらわないと、持続的に医療を提供することは不可能だ」と話しています。

 2025年3月13日(木)

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