世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は13日、ロシアやヨーロッパを含むヨーロッパ地域の53カ国ではしか(麻疹)の感染件数が2024年に12万7352件に上り、21万件を超えた1997年以降最悪となったと発表しました。5歳未満の子供の感染が全体の43%と多く「肺炎や腎不全を併発し、生命にかかわるケースもある」と警告し、予防接種の重要性を訴えました。
WHOとユニセフの報告書によると、ヨーロッパ地域では1997年以降、はしかは減少。2018年から再流行の勢いを見せ、新型コロナウイルス禍を経て2024年に急増しました。半数以上が入院が必要な重症でした。
再流行の一因として、コロナ禍によるはしかの予防接種率の低下を指摘しました。コロナ感染者への対応で医療施設は逼迫し、ロックダウン(都市封鎖)も影響。定期予防接種を含む医療サービスが混乱したとしています。
国別でルーマニアが3万件超と最多で、カザフスタン、ロシアと続きました。ルーマニアの2023年の予防接種率は78%、カザフスタンとロシアは97〜99%でした。
日本は2015年にWHOから「排除状態」と認定されているものの、2024年には国内で45件の発症が確認されました。
2025年3月14日(金)
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