■「百日せき」患者数、2018年以降で最多の482人 乳児が感染すると重症化も

 子供を中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」について、3月9日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は482人と、現在の方法で統計を取り始めた2018年以降で最も多くなりました。乳児が感染すると重症化することがあるため、専門家は「出産を控えた家庭ではワクチンの接種などの対策を検討してほしい」と呼び掛けています。
 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の乳児が感染すると、重症化して死亡する恐れもあります。
 国立感染症研究所によりますと、3月9日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は482人で、すべての症例を報告するようになった2018年以降で最も多くなりました。
 都道府県ごとにみますと、大阪府で43人、新潟県で39人、宮崎県で33人、兵庫県で31人、沖縄県で27人となっています。
 国立感染症研究所によりますと、生まれて間もない乳児では、特徴的なせきがみられず、かわりに息を止めるような「無呼吸発作」が起きて、呼吸が停まる危険性があるほか肺炎や脳症を起こすこともあり特に注意が必要だということです。
 子供の感染症に詳しい新潟大学の齋藤昭彦教授は、「慢性のせき症状だけで、医療機関を受診していない人も多数いると考えられ、実際の患者数は数倍以上の可能性がある。対策としては、患者がマスクをすることで、周囲に感染を広げないことが期待できるほか、ワクチンによる予防が有効だ。今、日本で接種されているワクチンは、4年から7年で効果が低下するとされているので、特にこれから赤ちゃんを迎える家庭、それに今、赤ちゃんがいる家庭ではワクチン接種を早めに検討してほしい」と話しています。

 2025年3月19日(水)

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