■富士化学工業、子供の目にアスタキサンチンが有用であることを確認

 医薬品製造の富士化学工業(富山県上市町)は18日、高い抗酸化作用を持つ物質アスタキサンチンが、子供の目の健康維持に有用であることがわかったと発表しました。同社が製造・販売する製品を用いた臨床試験で確認しました。就学期の小児の目の健康に関心が高まる中、食品関連企業に対してアスタキサンチン製品の販売拡大を目指します。
 アスタキサンチンはエビやカニなど甲殻類の体表やサケ類の筋肉や卵に含まれる赤色の天然色素で、抗老化作用を持つことで注目されています。これまでスマートフォン(スマホ)やパソコン作業後に起こる目の疲れや痛みといった眼精疲労に効果があると判明していたものの、子供への作用は不明でした。
 同社は日常的にスマホやタブレット端末を利用する10〜14歳の子供64人を対象に臨床試験を実施し、アスタキサンチンを1日4ミリグラム摂取するグループとオリーブオイルを摂取するグループに分けて比較しました。その結果、アスタキサンチンを摂取したほうが慢性的な眼精疲労が20%改善したほか、ドライアイなども改善することがわかりました。
 同社は天然藻を培養して製造したアスタキサンチンで世界トップシェアを誇ります。同市場の注目で競合が増える中、競争力強化を図ります。

 2025年3月20日(木)

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