■小林製薬の衛生管理体制不備を複数指摘 紅麹サプリ健康被害で大阪市が調査報告書

 小林製薬の「 紅麹(べにこうじ) 」成分入りのサプリメントを巡る健康被害問題で、大阪市は19日、食品衛生法に基づく調査報告書を国に提出しました。被害の原因物質生成につながった青カビの混入経路について、紅麹菌の培養タンクにあった亀裂などから混入し、増殖した可能性などに言及。「カビが混入した場合の危害を、同社が十分に認識できていなかったことが直接的な要因」と指摘しました。
 市は問題が発覚した昨年3月以降、原料を製造した大阪工場(大阪市淀川区、閉鎖)への立ち入り検査や従業員への聞き取りを進めてきました。
 報告書では、腎障害を引き起こした「プベルル酸」を生成した青カビの混入経路について、タンクの亀裂のほか、紅麹の種菌を培養するフラスコに混じっていた可能性もあると説明。さらに、工場内で起きた品質事故などのトラブルが社内で共有されていないケースが認められたとし、管理体制に不備があったと強調しました。
 微生物を培養して作られる食品については、衛生管理計画の作成時、青カビ混入のリスクを考慮することが再発防止につながるとしました。

 2025年3月20日(木)

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