■「有効性を検証できる」再生医療を「検証型」診療として学会推奨へ 根拠不明なものと区別化

 国内では美容やけがの治療などを目的に国の承認を受けていない再生医療が自由診療で年間10万件以上行われていますが、日本再生医療学会は患者の治療の選択に役立ててもらおうと、このうち学会として推奨する治療を公表する方針を明らかにしました。
 これは日本再生医療学会の岡野栄之理事長らが19日、会見を開いて発表しました。
 厚生労働省のまとめによりますと、再生医療のうち美容やけがの治療などを目的に自由診療で行われているものは年間でおよそ13万件に上りますが、ほとんどは有効性や安全性が確立しておらず、国の承認を受けていません。
 これについて学会は「患者の安全性や国際的な信頼性を損ないかねない」として、自由診療で行われている治療のうち、治療の結果など患者のデータを学会のデータベースに登録したものを「検証型診療」と呼んで推奨すると発表しました。
 集まったデータで治療効果などを検証するのが狙いで、患者の治療の選択に役立ててもらうため推奨する治療と医療機関を公表する方針だということです。
 一方、患者のデータを登録しないまま実施される治療は「無検証診療」と呼び、区別するということです。
 岡野理事長は「患者の期待を利用するような治療は許容できない。自由診療であってもやりっ放しではなく、有効性と安全性の議論ができるようにしたい」と話しています。

 2025年3月20日(木)

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