🟥新型コロナ禍で日本人の睡眠休養感は改善
新型コロナウイルス感染症流行の時期に、睡眠によって休養が取れていると感じる人が増えたとする研究結果を、奈良県立医科大学が発表しました。
「理由は特定できていないが、在宅勤務が増えて平日と休日の睡眠時間の差がなくなったことや、義務的な社会的交流が減ったことなどの影響が考えられる」とコメントしています。
同医科大学県民健康増進支援センターの冨岡公子特任教授(公衆衛生学)らは、コロナ禍前の2019年と流行中の2022年に厚生労働省の国民生活基礎調査で得られた睡眠に関するデータを、年代や性別などで比較分析しました。
その結果、睡眠によって朝起きた時にどれだけ体が休まったと感じたかを自己評価する「睡眠休養感」の項目で休養が「あまり取れていない」「全く取れていない」と答えた人を足した割合が、男性は2019年の21%から2022年は19%に、女性も24%から21%に、いずれも減少しました。75歳以上の男性を除き、すべての性別、年代で改善がみられました。睡眠時間別で休養感をみてみると、睡眠時間が短い人で改善していました。
睡眠時間が短い人の割合も、男性では2019年の34%から2022年は33%に、女性では39%から38%に、いずれもやや減りました。年代別に調べると、50歳未満で減少が大きくなりました。
睡眠時間などの影響を統計的に調整して両年を比べた結果、日本人全体で睡眠休養感が悪い人の割合が低下したことが確かめられたといいます。
日本人は先進国の中でも睡眠時間が短いことで知られています。特に働く世代では睡眠時間が短く、睡眠休養感が悪い人が多いため、冨岡さんは「この改善傾向を維持する施策を検討すべきだ」と指摘しています。
2025年4月29日(火)
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てんてん